「昔はアトピーだった」という人もいれば、
「大人になってひどくなった」という人もいるアトピー。
その原因は化学物質や化学繊維など、不特定多数の要素が複雑に絡み合っています。
症状としては「アレルギー反応」と同様ですが、
作用の原因が明確であるアレルギーと呼ぶのに対して、
作用の原因が不明なものをアトピーと呼びます。
(※アレルギーには、必ず○○アレルギーとつきます。)
今回は水素とアトピー性皮膚炎に関する論文があったので、ご紹介します。
背景
年々増加するアトピー患者。
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/)
医療の進歩に伴って、感染症や結核による死亡率は激減しましたが、
その一方でガン・心疾患などの生活習慣病やアトピー性皮膚炎の患者数は年々増加しています。
出典:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45934830R10C19A6000000/)
こうした背景には、日本が世界一の添加物大国であり、また農薬使用量も世界一であることが、主要な原因の一つと言われています。
期待される水素の効果・効能
水素が持つ「抗酸化作用」によって炎症部位の酸化による損傷を防ぐと共に、
「抗炎症・抗アレルギー作用」によって炎症性サイトカインの抑制を意図しています。
実験概要
アトピー性皮膚炎を発症した実験用マウスを2つの群に分け、
一方には精製水(PW:蒸留や濾過、イオン交換などの手法で作られた純粋な水)を
もう一方には水素水(HW:電気分解によって生成)を投与し、
血漿中の炎症性物質(サイトカインなど)の変化の違いを調べています。
(※血漿とは:血液に含まれる液体成分の一つ。 血液の55%をしめる。 血液を試験管にとって遠心沈殿すると、下の方に赤い塊りができ、上澄は淡黄色の液体になる。 赤い塊りは主として赤血球の集りで、上澄の液体が血漿である)
結果
水素水投与群は、精製水群に比べて優位に炎症性物質の産生を低下させた。
※以下の図表における黒線は平均値を、青線は偏差(ばらつき)を示しています。青線の幅が狭いほどばらつきが少なく、水素による効果・効能の確実性が高いことを示しています。
サイトカインIL-10
PW群(精製水)と比較して、HW群(水素水)のサイトカインIL-10産生は有意に低下した。
サイトカインGM-CSF
PW群(精製水)と比較して、HW群(水素水)のサイトカインGM-CSFは有意に低下した。
サイトカインIL-12p70
PW群(精製水)と比較して、HW群(水素水)のサイトカインIL-12p70産生は有意に低下した。
サイトカインTNF- α
PW群(精製水)と比較して、HW群(水素水)のサイトカインTNF- α産生は有意に低下した。
有意な差が見られなかった結果
図表(e)サイトカインIL-2及び図表(f)サイトカインIL-4においては、PW群(精製水)とHW群(水素水)との間に、有意な差はみられなかった。
考察
これは、消炎鎮痛剤やステロイドとは少し違う作用で、とりあえず症状を軽減するという速攻性は低いが、根本的なレベルで疾患を改善する可能性を示唆しています。
また、他の疾患(アレルギー/自己免疫/慢性炎症性疾患など)においても、炎症性物質の抑制が期待され、長期的に見れば、副作用なく症状を軽減する可能性が多いにあると考えられます。
出典(引用元論文URL)
原文(英語)版:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3852999/
まとめ
suiso-naviでは、水素と医療・美容・健康に関する情報を
「なるべく個人の解釈を交えることなく」
「論文などのエビデンス(証拠)に基づいて」
分かりやすく解説して、お届けしています。
ご質問やより詳しい内容が気になる方は、下記のLINE@よりご連絡下さい^^
コメント